古琵琶湖層というのがある。300万年前、琵琶湖がじわじわと移動していた跡地のことだ。
その当時、湖底に堆積した泥がかたまってできた粘土質の層がある。それを僕の地元の人たちは「ずりんこ」と呼ぶ。
以下の写真でグレーの積み上がってるモノがずりんこである。
刈り入れの終わった水田に、とってきたずりんこを混ぜるのだ。こうすると、土が軟らかくなりすぎるのを防ぐことができる。地元の言葉でいうと「にっこまないようにする」となる。
にっこむ、とは、水田の泥に足を踏み入れるとズブズブと沈む状況があるとおもうがあの様のことを地元では「にっこむ」という。
ずりんこは、近くで見るとこんな感じものである。
石のように見えるが、指先で押さえるとボロボロと崩れるとても柔らかいかたまりである。ちょうど粘土を固めたような感じである。
ずりんこという固有名詞はこのあたりでしか使わないものらしい。
小さい頃は当然だと思っていた言葉がここでしか使われていない言葉であるということがわかった瞬間はとても興奮する。